8月の終わりに観た「君の名は。」の衝撃たるや。
いてもたってもいられない、
「コレ観た方がいいよー」と誰かに言いたい、
観た人と感想を話したい、
観た後すぐに『もう1回劇場で観るんだ』という気持ちになった作品は、これが初めてでした。
それから3週間ほど経って2回目を観に行ったんですけど、どうせ二回も観るならと、コツコツ準備を進めておりました。
その結果、二回目の「君の名は。」も格別。
すでに観たけど「もう一回観るわ」と確定してる人で、クソひまな時間に余裕のある人は、これからする2つのうち1つでもやっとくと、二回目も楽しめるハズなので、ぜひ試してみてくださいませ。
★以下ネタバレ含みますので、まだ作品を観てない方はこの画面をスクロールせずに、今すぐ映画館にダッシュしてください。
①RADWIPMS「君の名は。」の聴き込み
「『君の名は。』という作品における”音楽”は、2人の主人公[立花瀧]と[宮水三葉]と並ぶ”第三の主役”だ」的なことを深海監督がインタビューで話してましたが、まさにその通りだなと。
本編に流れる主題歌は心地よい疾走感とリズムを生み出し、グイグイ物語に引き込み、また一つ一つのBGMが最高にオシャレなんですよ。
でも、1回目観るときはどうしてもセリフやストーリーに集中してしまうので、歌や音に関しては「この音楽かっこいいなー」という漠然とした感想しか残ってなかったんです。
「あれ?なんだっけ?思い出せない」のような感じで、良かったことは間違いないんだけど、それを明確に思い出せず、時間が経つごとに忘れていくのでモヤモヤして、(自分が)本編と同じような状態になります。
ストーリーにリンクした歌詞のフレーズや、劇中差し込まれているBGMなど、全編107分の間ではとてもじゃないけど全て処理しきれるはずもなく、全てを味わいきれなかったので『くそーもったいない』と強く思いました。
主題歌の歌詞とか知ってたら、もっと感動したやろな、と。
そこで1回目の帰りがけにAmazonでサントラをポチリ、車の中や移動中のメインBGMとして過ごしました。
1回目観たときの余韻たっぷり状態でサントラを聴くと、1曲目”夢灯籠”のイントロを聞くだけで、涙腺が刺激されて泣きそうになる、という謎の現象がおきるので注意しましょう。
曲聴いてるだけなのに目元が緩み、歌詞を読むとまた目元が緩み、といった感じでひたすら聴いていました。
本編では、オープニングからエンドロールまで、4曲の主題歌が流れますが、その4曲は歌詞が何となく口ずさめる程度にまでインプット。
BGMは好きすぎて、2曲目3曲目は朝の目覚ましとウォーキングの時に聴いてます。他にも、これピアノで弾けるようになりたいわ、と思う曲が何個もあって、現在奥さんに教えてもらっているというのはここだけの話。
二回目を観るまでの準備として、一番力を入れたのが音楽の復習。
完全に暗記してたわけではないけど、主題歌とBGMを復習したことで、二回目は映像と音楽のリンクしてる感じを余すとこなく楽しむことができました。
「うわーこの曲カッコいいー」「おしゃれー」という1回目の感動とは、また別の感動がそこにあります。
BGMで好きなのは、23曲目の「かたわれ時」。
御神体の所で二人がやっと対面できるシーンの曲なんですが、最初のバイオリンが鳥肌。その後はピアノがメインになりますが、このメロディラインが切なすぎてたまりません。思い出しただけで泣けてくるわ。
Universal Music =music= (2016-08-24)
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②小説「君の名は。Another Side Earthbound」を読む
君の名は。 Another Side:Earthbound<君の名は。 Another Side:Earthbound> (角川スニーカー文庫)
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この「君の名は。Another Side Earthbound」は、原作を補完する物語で、これを読まないまま二回目を観るのは、非常にもったいないことになると思います。
メインの二人の主人公を支えるサブキャラ側から見た、「君の名は。」の世界。
本編で登場する何気ない一コマ、回想シーンですが、その一つ一つに物語を知ることができます。
- テッシーがカフェ(という名の自販機裏スペース)に、テーブルとイス用に木材を用意する段取り。
- 三葉が体育の授業のバスケでシュートを決めて、男子生徒の目線を釘付けにさせるシーンの意味。
- 一葉(おばあちゃん)と喧嘩別れし、宮司を辞めたのにも関わらず、宮水の姓のまま糸守町長の地位に就いた三葉の父の意図。
- 三葉の父母の馴れ初め、母(二葉)の死。
- 「彗星が糸守に落ちる」という、ウソみたいな三葉の話を、本気で信じて行動したテッシーの心情。
- かたわれ時に合うことができた三葉が、役場に行ったとき、町長室に訪れていた一葉と四葉。
↑パッと浮かんだものを書いたけど、まだまだ沢山。
まさに行間を埋めてくれる本。特に4章は必読です。
父・宮水俊樹がメインのチャプターですが、ここを読み込むことで二回目のコクと旨味が3倍増します。
そして、コレ読んでまた泣いたのは言うまでもありません。
Amazon・楽天でも品薄で次の入荷まで待ちきれない僕は、Kindleで買いました。
また、深海監督が執筆した小説バージョンも読んどきました。
本編が正確に文字化されたもので、セリフの部分は声が聞こえてくる感じで、これまた楽しかった。
映像を1回見ただけですが、場面やシチュエーションがはっきりと目の前に浮かびあがります。
最初「この小説の方に映像化されてない部分があるやも」と思ってましたが、そうではありませんでした。
でも読んでて感動してちゃんと泣きました。
どちらか1冊読むなら、というなら「Another Side Earthbound」の方がオススメです。オススメというかマストだな。
KADOKAWA/メディアファクトリー (2016-06-18)
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準備の甲斐アリ。でも・・・・
二回目にたどり着くまでわりと時間をかけましたが、最初に書いた通り、二回目の感想も格別。
準備した甲斐はあったなと。
小説を読みこんでストーリーの補完済み状態だったので、回想シーンの一瞬で終わる一コマ一コマにまで感動できました。
音はかなり聴き込んでいたので、映像と音が完全にリンクした形で楽しめて、また改めて感動したし。
1回目に観た時は、ただただものすごい感動で最後まで押し切られた、夢中になれたという感じ。
2回目は、準備していた分冷静に観れた気がします。泣いたけど。
エンドロールでは、黒背景と白文字というシンプルな画面なのに、歌詞を口ずさめる状態にしていたので、最後の最後まで感動に浸ることができました。これは歌詞覚えてる人の特権かと。
ここまで散々準備して観た人間が言うのもアレですが、漠然と二回目を観たとしても、それはそれで感動して面白かったんだろうなーとも思います。
準備しすぎるのも弊害があるかと。
オープニングの夢灯籠のイントロが流れた時点でウルっときたり。笑
「来世は東京のイケメン男子にしてくださーーーー!」の三葉のセリフで泣けてきますからね。(瀧に入れ替わってる時、三葉にとってはある意味来世なので。泣)。このセリフ、スーパー切なくないすか。
- ゴリゴリに準備して観る二回目
- 何の準備もなしに観る二回目
二回目の楽しみ方は色々あると思いますが、一回目の破壊力にはきっと勝てないのは確か。
僕が今から一回目の感動を味わおうとするなら、もう一回生まれ直すか、記憶喪失になって「深海誠って誰だよ」ってところまで戻る以外方法がありません。
生きてるうちに、あの感動がもう味わえないというのはちょっと悲しいですが、いつか発売されるであろうDVDも買いたいと思います。